いつか、雨はあがる。

虐待でうつ病、パニック障害を発症。自殺未遂、向精神薬・安定剤依存、入院を経て、現在は非正規で働いています。ようやく前向きになれてきました。

閉鎖病棟での生活1

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仕事に行くことができなくなり、入院した精神病院。

そこには、認知症の患者さん、統合失調症の患者さんがたくさん入院していました。

私は認知症と統合失調症の患者さんたちと同じ部屋のベッドで入院生活を送ることになりました。

病棟は閉鎖で、自分で好き勝手に外に出たり、物を買ったりすることはできません。

入棟の際には持ち物をすべて検査され、ひとつひとつ名前を書かされました。そして、自殺防止のために、長い紐類(スウェットのズボンの紐など)や鉛筆類などはすべて没収されました。

今思えばまるで刑務所に入るかのようだったのですが、その時の私には正常な判断力がありませんでしたので、ただぼうっと他人事のように感じていました。

仕事に行かなくてもいい、実家の家族とかかわらなくていい、それだけで少しほっとしていました。

そして、すきあらば死んでやろうと、その時にはまだ強く思っていました。

入院生活が始まってみると、周りは重症の患者さんが多く、もう理性が無くなっている人も居て、至る所で排泄物のにおいがしていました。

歳が近い女の子が話しかけてきましたが、正直誰とも話をしたいような気分ではなく、とにかく寝ていたい、放っておいてほしい、休ませてほしいという気分でした。

しかし、歳の近い女の子は、いろいろ話しかけてきて、私はその話を聞くとも無く聞いていました。

彼女は統合失調症で、主に幻聴が聞こえるということでした。

まだ二十代半ばのように見えましたが、ずっと入退院を繰り返していて、入院は7年目だとのことでした。

昔から夜になると「外に出ろ」という幽霊の声が聞こえてきて、気が付くと森の中に居たということが何度もあったそうです。

薬は効かないのか聞いたところ、いろんな薬を試したが、かえって幻聴がひどくなることもあり、いまいち効かないんだという話でした。

しかし彼女は私よりは元気で、昼間の自由な時間にはピアノを弾いて歌を歌ったりしていました。

たまにどうしようもなく苦しくなると、わざと暴れて、地下の拘束室に連れて行ってもらうんだと言っていました。

そんな部屋がさらにあることにもびっくりでしたが、その時の私には彼女の元気さが羨ましいような気さえしていました。

他にも歳の近い女性で、統合失調症だという人が2、3人ほどいました。

でもどの人も鬱っぽい様子はなく、1人はにやにやとした笑顔をいつも浮かべていて、どこを見ているのか視点の定まっていない感じの女性でしたが、手洗いなどですれ違うたびに芸能人の話などを明るい感じでしてきて、気分は良さそうでした。

もしかしたら鬱が強く出ている人は動き回らないので出会わなかっただけなのかもしれません。