名著『毒になる親』
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自分が虐待を受けていた、機能不全家庭で育ったという自覚のある方にとっては、あまりにも有名なこの本。
『毒になる親 一生苦しむ子供』はやはり名著でした。
私もこの本の存在を何年も前から知ってはいましたが、怖い気がしていたのと、心理学系のものをあまり信用しておらず、最近になるまで読んでいませんでした。
私は生きづらさ、対人恐怖で長年苦しみ、何かがおかしいと思っていました。
しかし、自分が虐待されていたということには、成人を過ぎても気付いていませんでした。
自分が苦しいのは自分に原因があると思い続けていたのです。
うつと希死念慮、自己破壊衝動に苦しめられ、心療内科やカウンセリングに頼りましたが、自分で虐待の事実に気が付いていないのですから、第三者に根本の原因が分かるわけがありません。
認知が歪んでいるからと、認知行動療法を勧められたり、森田療法を勧められたりして実践しましたが、どうやっても死にたい気持ちはとれませんでした。
そして、とにかくその場限り苦しみを紛らわせられればいい、とにかく今晩だけ眠れればいいと、どんどん薬に依存する生活になって行きました。
診察で「調子が悪い」と言えば、医者はどんどん薬を増やしてくれました。
デパス、ソラナックス、ベンザリン、ハルシオン、ユーロジン、ドグマチール、ジェイゾロフト、パキシル、リフレックス、デパケン・・・
どんな薬も、頭はぼうっと麻痺させてくれますが、本当の苦しみを取り払ってはくれませんでした。
パニック症状を抑えるために処方された抗鬱剤のパキシルは、特に依存性が強く、一度飲み忘れると、ジェットコースターのような眩暈と吐き気に苦しめられるようになりました。
このままでは一生治らない。
そしていつか苦しみに負けて必ず死んでしまう。
そう思った私は、薬を飲むことを自分でぱったり辞めてしまいました。
医者も薬剤師もカウンセラーも、一切信用できませんでした。
私を本当に治すという気が無く、ただ薬をたくさん買わせたいだけにしか見えなかったのです。
薬をぱったり辞めた後は、地獄の苦しみでした。
吐き気やめまい、脳みそがぞわぞわするような離脱症状で、まったく起き上がれない日が3か月以上続きました。
もう自分はおしまいだと思い、首吊も何度もやりました。
突然の断薬は本当に危険なことですので、薬を断ちたいと思っている方は、絶対に私の真似をしないで、気長に少しずつ減薬してください。
自殺を完遂してしまう危険があります。
こうして、私は薬に頼らず、自分で解決しようと試行錯誤をし始めました。
居酒屋のアルバイトから少しずつ復帰のリハビリをし、自分を癒す人や協力者を徐々に増やしました。
そして、少しずつ他者にカミングアウトする中で、親のおかしさを認識するようになり、この「毒になる親」の終章にある「親との対決」まで一人で行き着いてしまったのですが・・・
もしもっと前にこの本を読んでいれば、途中で迷ったり遠回りしたりすることも無く、もっとすんなり親から離れられていたでしょう。
生きるのがなぜかつらくて、少しでも自分の親に違和感を感じている人は、その違和感に目をつむらず、一度この本を読んでみてほしいと思います。