帰省し、父に会いました①
同郷の友人から強く誘ってもらったこともあり、7年ぶりになるでしょうか。
故郷に帰ってきました。
もちろん母のいる実家に帰ることはできない。
誘われた時、最近あまり思い出さなくなった実家の間取りを一瞬思い出して気分が悪くなりました。
帰れない事情を知ってくれている友人は家に泊めてくれるとのこと。
妊娠中で帰省中の友人。
「かなちゃんに会いたい」、「久々に故郷でゆっくりしよう」と言ってくれ、最初は理由も話し断っていましたが、ご両親も事情をかんがみて2日でも3日でも泊めてくれるという話。
あまりに言ってくれるので「考えておくね」と返事をしましたが、これで帰省は最後になるかもしれず、それなら父が死ぬ前に父の顔は見ておきたいとも思いました。
この機会に2日だけ帰ろうと決めて、友人に伝えると「待ってるね!」という返事。
他人の家に泊まるのは少し苦手で、迷惑ではないかとも思ったので1日はホテルを予約することにしました。
お世話になった友達の家は、学生時代からたまにお邪魔することがありました。
「私の理想の家」と言ってもいいかもしれない。
話を聞くところによると、家族の中でいろいろと問題もあるようです。
でも、頭のいいしっかりとしたお父さんに優しいお母さん。きちんとお世話されたペットがいて、家も車もきれいです。
実家と比べてしまいどうしても少し辛い気持ちになりましたが、とてもよくしていただき嬉しく思いました。
2日目はホテルに泊まり、父に会う予定でした。
父には友人宅に泊まると言ってあります。
母はちょうど兄のところに行き不在とのことでほっと安心しました。
約束は17時。
しばらく会っていない父。緊張します。
が、直前になって「もう少し遅くできないか」と連絡がありました。
後ろではギャンブル場の音が聞こえています。
あーあ、やっぱり。と思いました。
7年ぶりに飛行機に乗って会いに来た娘を待たせても、ギャンブルをやりたい父です。
負けていて取り返したかったのでしょうか。
その後も「6時にしてくれ」、「やっぱり7時にしてくれ」、と連絡が来ました。
「悪いけど、9時には帰らないといけないので」と父に言うと、「じゃあ7時で」となりました。
最初、ステーキレストランを指定されていましたが「やっぱり某牛丼チェーン店に変えてくれ」と言われました。
待ち合わせて久々に会った父はボロボロの軽自動車で現れました。
前に脳出血で倒れたため、体の半分はうまく自由がきかない様子。
そのせいか、ネクタイはしていますが食べこぼしのシミがあります。
400円くらいのメニューを「私がおごるよ」と言いましたが、「いやいや」と笑って、父は自分の分の食券を買いました。私も自分の分を買いました。
実家の様子を聞くと、水が出なくなったと言います。
どうやって生活しているのか聞いたら、自営業の事務所の水をタンクに入れて毎日持って帰っているとのこと。お風呂の水は1週間変えないそう。
工事に30万かかり、そのお金がないといいます。
ギャンブルをやめればいいのではと思うけれど、こんなやりとりは今までうんざりするほどやってきており、不毛であることは分かっています。
つづく。