穏やかな婚家
義父と夫とお花見に行ってきました。
ちょうど平日の休みがあったので、急きょお花見に行くことになり、冷蔵庫にあるもので適当なおかずとおにぎりを作って、あったかいお茶もポットに入れて出かけました。
田舎なので広々、渋滞も無く人もまばら。
桜がとても綺麗でしたが、ちょっと肌寒く、夫は疲れていたのが昼寝。
起きていた私と義父とで、義父の母親(夫の祖母)の波乱万丈な人生について話をしました。
明治生まれの祖母で、もうずいぶん昔に亡くなっているのですが、家庭環境も複雑で頼る人も無く、田舎から東京に出て行って、どんな仕事でもして働いたのだそうです。
結婚後して子どもができた後も夫(義父の父親)を若くして亡くし、その後も女手ひとつで3人の子どもを立派に育て上げたお母さんと聞きました。
いろいろ大変なこともあったでしょうが、きっと周りに愛があったから、くさらずに生き抜くことができたのでしょうね。
そのたくましさを見習わなければならないなあと、話を聞きながらつくづく思いました。
学の無い祖母だったそうですが、義父もそのありがたさと強さを得難いものと思って尊敬しているようでした。
誰かの悪口や、他人の噂話、詮索話ばかりだった私の母。
どんなに良い服を着ているか、良い学校を出ているか、誰がどれだけお金持ちか、そんなことばかり重要視し、四六時中自分と他人とを比べ、怒りねたんでいた母。
社会と隔絶して生活するうちに客観性を無くし、考えがおかしな極端な方向に行ってしまったのだと思います。
自分は母親と、そういう嫌な話しかしたことがありませんでした。
私は母に褒めてもらいたかったですし、母はとにかく勝ち負けが好きで、私の日常の悩みや困っていることなどは絶対話せませんでしたから、私の私から母に話をするときはいつも「~ちゃんより成績が良かった」とか「~くんより先生に褒められた」とか「人に勝てたよ」という報告しかできませんでした。
今、困っていること、悩んでいることがあれば、私は義父にも夫にも率直に話すことができます。
70過ぎの義父と桜を見ながら静かに祖母の話をしていると、本当に心が洗われる感じがしました。
私はもう、他人を貶めることに共感したりしなくていい。
他人に必死に勝とうとしなくていい。
穏やかな生活が手に入ったんだ、そんな気がしました。