異常な見栄っ張りの母
とりあえず、本業の仕事が一段落しました。
明日からは副業の方が少し忙しくなります。
奨学金を返すために少しでも稼がないとです。
お金、お金、お金・・・
とにかくずっとお金に悩まされた人生でした。
親のお金の使い方がアホすぎたため、食べ物や服には困りませんでしたが、学校の授業料が払えるかどうか、病院に行けるかどうか(保険証があるかどうか)には、いつもビクビクしていました。
自分でアルバイトして学校に行くようになってからは、食べ物も切り詰めていました。
粉を買って、うどんを打って暮らしていたこと。
どんなに遠いところへも自転車で行ったこと。
家賃3万(家賃が高い地域だったのでこれでも破格でした)の、ドアがペラペラ、エアコンなし、周囲に店無の物件に住み、泥棒に入られて警察を呼んだこと。
治安が悪い地域で、近所では強姦、放火が多々あり、ホームレスがうろついていて、アルバイトしていたコンビニでは万引きも見かけたこと。
母は、そんな私の生活を知ってか知らずか、「もっともっと」といつも言いました。
「もっと高い学歴を」
「もっといい仕事を」
「もっといい服を」
お金が全然ないのに、人に対して良い格好をすることだけは完璧にやらされ、私はだんだん頭がおかしくなり、家賃3万の泥棒に入られたボロアパートで、自殺未遂を繰り返すようになりました。
冬はどんなにストーブをつけても息が白くなるほど寒く、水道も凍り、給湯器もない。
夏は熱中症になるほど異常に暑くなる西向きの部屋でした。
雨の日に見に行って、不動産屋に「南向きだ」とだまされて入った部屋でした。
いつも何かに追われているような気がして、私は正常な精神でいることができなくなりました。
服も買えない、食べ物も食べられない、話す人も居ない。
勉強しようと思って文字を読んでも全く頭に入らず、夜も眠れなくなり、どうにもならなくなりました。
今思い出しても苦しくて怖いです。
二度とあのころには戻りたくありません。
昔は、母の言うことを素直に聞いて「もっと上に行かなくちゃ」とずっと思っていました。
でも、心を病み、頭がおかしくなってしまってから、どうやっても踏ん張りがきかなくなり、年金とか保険とか、税金をちゃんと払って、とにかく安心した暮らしがしたいって思うようになりました。
上に行くとか人にどう見られるかとか以前に、服がみすぼらしくても、靴がきたなくても、ちゃんとしたお金の使い方をして、ちゃんとしたところに住み、ちゃんとした物を食べて、健康になりたいと思ったのです。
こうして書くと、本当に当たり前な、普通のことでびっくりします。
そんな簡単なことに、私はずっと気が付かなかったのです。
小さい時から、税金を払うより何より、かわいいワンピース、ブーツ、コート、バッグ、美容院、私立の学校、そういうものにお金を払うべきだって教え込まれていたのです。
自分が自分のお金をそういうものに使ったわけではなく、親が服飾品にお金をかけていたわけなのですが。
今は、お金を使うべきものの優先事項が決まっています。
本当にほっとしています。
母は病気だったんだと、今になって思います。