不完全な世界
主人の帰りを待ちながら書いています。
ブログを見た何人かの方から、メールをいただきました。
自分と似たような経験をされた方が、他にも居るのだと知りました。
この一見平和そうな日本でも、家庭内での虐待や暴力といったことは確実に起きていて、今もどこかで被害者が苦しんでいるのだと思います。
家庭の中が悪意ばかりだと、世界のすべてが悪意でできているように見えます。
悪意と善意は、実際はどこからどこまでが悪意で、どこからどこまでが善意か分からない、、、不可分のものだと思いますし、また主観的なものだとも思う。
私たちの生きる世の中は、教科書で教わるように秩序立ってはいません。
本当は混沌としていて、善意ばかりの人もいないし、悪意ばかりの人もいない。
完全なる被害者も、完全なる加害者も居ない。
ただ、良心に欠け、自分のことしか考えられない非情な人間がいるのは事実です。
人間はそもそも、絶えず努力していないと、他者への思いやりを持ちえない生き物なのかもしれません。
善も悪も正誤もない世界で、自分はこのしんどさをどうやって解消したらいいのか、どうやって自己を保てばいいのか、考える日々が続いています。
オフラインでは、私の友人が精神的な不調に陥って苦しんでいます。
寂しくて寂しくて仕方が無いようで、希死念慮もあるようです。
「死にたい、苦しい」という内容のメールを何度も私に送ってくるようになり、通院を勧めますが、「治りたくないから」と聞き入れません。
仕方なく彼女のご実家に電話をして、お父様に近況を伝え、お母様に様子を見に行ってもらいました。しかし、強制的に病院に行くと言うことにはならなかったようで、その後もメールが届きます。
私は遠く県外に住んでいますし、それ以上できることもないので、しばらく放っておくつもりです。
しかし、健全な家庭で育ったはずの彼女の自己肯定感のなさ、自己評価の低さは、はたから見ても異常です。
彼女はその自己評価の低さゆえに、変な男性と付き合い、DVされたりモラハラを受けることを繰り返しています。
彼女の精神の危うさは、話を聞くと、どうやらやはり母娘関係に根本的問題があるようです。
彼女を見て、どんな家庭にも何かしらの歪みがあるのかもしれないと思います。
仕事先のお客様も、パニック障害で苦しんでいるということを最近知りました。
一見、あたたかで理想的な家庭を実現している方です。
しかし、ご本人は発作の予期不安に苦しめられ、薬が手放せず、仕事もほとんどできなくなってしまったのだそうです。
今は優しい家族に囲まれて幸せそうに見えるのに、小さいころの事がトラウマで、今でもよみがえるのだとおっしゃっていました。
古くからの友人からは、「実は私も彼荒れていた時期があったのだ」と聞きました。
もうずいぶん昔のことになるのですが、彼女は犯罪を犯したのだそうです。
手錠をかけられ、それが原因で仕事を辞めたのだと、打ち明けてくれました。
今は再就職先で頼りにされ、立派に役職を務めている彼女ですが、そんなことがあったのかと驚きました。
あの時は家族に本当に迷惑をかけたと、彼女はとても辛そうにしていました。
誰しも、傷つかないでは生きていけません。
この世界は、人間は、本当に不完全です。